極寒・北極・珍道中!

第10話 「野宿!」

(リーダー犬を失い途方に暮れる耕陽!)

狩りに出るのにいい方法があると言ったパパさんに「どんな方法ですか?」と聞くと
パパさんは満面の笑みで「スノーモービルで犬ぞりを引っ張るんだよ!」

「スノーモービルで引っ張る?」
「そう、俺がリーダー犬になる!」

僕とスタッフが怪訝な顔をしていると、パパさんは「大丈夫!最近の狩りはみんなスノーモービルで行ってるから!」と、、、、、

スノーモービルで犬ぞりを引っ張る姿!想像しただけでマヌケである。
しかしどうしても狩りに出たい僕は、「それなら狩りに出れるんですね!じゃーそれで行きましょう!」
ディレクターもこの案を了承して、早速準備かかった。

犬はどうするのか?と尋ねるとサブリーダー1匹だけは連れ行くと!

こうして僕らはスタッフ用、僕のソリを引っ張る用、捕らえた獲物を引っ張る用の3台のスノーモービルで狩りに出た。

パパさんの引っ張るソリに乗った僕とサブリーダーは双眼鏡で獲物を探す。その姿をカメラがとらえる。しかし5分も走ると僕の身体は全く言うことを効かなくなった。それもそのはず-40℃の中を進むんでいるわけだし、風を遮る物も何もない!!(風速1メートルで、体感温度は1℃下がるらしい)この時の体感温度は−50℃以下。もうムリだ、耐えられない!大声で「止めて~~~~!止めて~~~~!」と叫ぶが、エンジン音に邪魔されて全く聞こえない様子でスピードはどんどん上がる!30分ほど走ったところで、ようやく休憩が入った。
スタッフが寄ってきて「大丈夫ですか?」と声をかけてきた。全然大丈夫ではない!凍死寸前だ!しかしここで弱音を吐くわけにはいかない!「たいひょうふへす!」と全然喋れていなかったが、まだいけるという意志を示した。

さらに10分ぐらい走ったところへ行くと、小高い丘があり、その丘の向うに、マスコックという、じゃこう牛の餌場が有ると言う。
ソリを飛び降り、小高い丘を登ってみても群れはいない!落胆している僕にパパさんは「次の場所へ行くぞ!」と言って僕を促す。
その後も3カ所ぐらい回ったが結局獲物は捕れず!僕の顔面は凍傷になっていた。
どれぐらい離れたところまで来たのだろうか?と聞くとホルマンの村からは100キロぐらい離れた湖の上だと、、、

このまま探しても今日は無理だろう!
陽も傾き始めて来たので、そろそろ野営の準備をしようと言うことになった。

続く

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