極寒・北極・珍道中!

第11話 「家を建てる」

(北極の湖の上で野宿をすることになった耕陽)

まず、大きなドリルで湖に穴を開けた。何で穴なんか開けるのかと思っているとどうやら食材を調達するもようだ。この湖には北極イワナという鮭ぐらいの大きさのイワナが釣れると言う。
手の空いてる者でイグルーというイヌイットが代々それで生活していた氷の家を作ることに。

大きな円を書きその上に長方形に切った氷のブロックを並べて土台を作る。その上にどんどん氷を載せていくという単純な作業だが、隙間を空けないように積まなくてはいけないので経験がないと上手く作れないらしい。
するとパパさんが「この中は温かいぞ!」と言う。僕は「どれぐらい温かいんですか?」と聞くと「5℃ぐらい温かい!と、、、、
-40℃から5℃あがっても-35℃!あまり変わらない!そんな中で寝れるのか?と不安になる。

イワナも釣れ家が出来上がるといよいよ夕食に!
火をおこして鍋に氷とイワナをいれてぐつぐつ煮込むだけ!調味料は無し!
しかし美味い!イワナが美味い!身体もあたたまる!

今までは夜になると通訳が、いなくなってしまってたので、この日はゆっくり会話することが出来た。
「今はカナダに生活保護を受けてるわけですが、昔は毎日毎日、今日みたいな生活をしてたんですよね?」
「そうだよ、毎日毎日、獲物を追いかけて、イグルーを作っての繰り返しだったよ!」
「今は暖かい家に住め、食料も好きな者が手に入るようになったと思うんですが、昔とくらべてどうですか?」
パパさんは一呼吸置いて、
「今の生活はすごく便利になったけど、昔の方が簡単だった。。。」
イヌイットの民族も保護を受ける代わりに自由を奪われたりといろいろな葛藤があるんだろうな、と僕は思った。

そしていよいよ消灯の時間が来た。
スタッフ一同はテントで、僕はイグルーで寝ることに。
防寒着を脱ぎ寝袋に入り寝ようとするのだが、、、、、、

さ、さ、寒い!寒すぎる!!寝袋は熱がこもるからしばらくすると暖かくなるよと言われていたが一向に暖まらない。むしろ氷のベットからの冷気でどんどん体温が奪われていく!
ダメだ!こんなところではねれない!助けを呼ぼうと叫ぶのだが!厚い氷の壁が邪魔をして、僕の声はテントまで届かない!外に出て行こうにも、真夜中に武器もなしに外に出るのは大変危険だ。
撮影用のカメラに向かって×の合図を送っても誰も救助に来ない!

その時僕の頭を(雪山で遭難して命を落とす人はこういう寒さの中死んでいくんだな、え?俺これ寝たらやばいんじゃないの?良く映画とかで寝るな〜!寝たら死ぬぞ〜!みたいなこと言ってるじゃん!!!)と言う思いがよぎった。

すると先ほどまで寒くて寝てられないと思っていた僕に急激に睡魔が襲ってきた!
「ダメだ、寝ちゃダメだ!起きるんだ、起きてるんだ!」自分自身を鼓舞して、顔をたたいたり、身体をつねったりして、どうにか寝ないようにするのだがついに力尽き自分でも知らないうちに眠りについていた。

翌朝目が覚めて表に出ると、出発の準備をしていたパパさんが僕に寄ってきて、
「良く一晩、頑張ったね!これで耕陽も我々の本当の家族になれたな!」と握手を求めてきた。
僕は「生きてて良かった〜〜〜〜!」とパパさんを抱きしめた、、、、

つづく

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