第8話 訓練
(自分専用のソリも作り、いよいよ訓練最終日)
夜の訪問も無くなり、朝から一日かけて犬との訓練!
進め、止まれ、の掛け声は聞いてくれるようになったが、右、左の掛け声をかけてもなかなか言う事を聞かない!
完全に犬に舐められてる僕に見かねて、パパさんが代わってみろと、、、しかし結果は同じ!犬たちはパパさんの言う事も全然聞かない!
するとパパさんは大声をあげて、持ってた角材でいきなりリーダ犬を叩き始めた!
僕とスタッフは唖然!!!!
「まずはリーダ犬をしっかり教育しないとダメだから!リーダー犬がしっかりしてると他の犬もそれに習ってちゃんと動くようになるんだから!リーダー犬には特に厳しくしないといけないんだ!」と
叩かれてビビった犬はしっかり言う通りに動き始めた!
しかし残念ながら犬の集中力は長くは続かなかった!
するとパパさんが僕に角材を渡してきた!
(えっ?これで殴るの?俺が?)
そんなかわいそうな事は出来ない!
僕がチンタラしてるとパパさんは角材を奪い、さっきよりもすごい勢いで叩き始めた!
「キャン!キャン!キャン!」
と奇声をあげるリーダー犬に容赦無く襲いかかる!
遂に犬が白目を向いて倒れた!
それでもパパさんは攻撃の手を緩めない!
このままでは犬の命が危ないと思いパパさんを止めに入った!
するとパパさんは物凄い剣幕で僕に巻くし立てた!
「遊びじゃねーんだ!!!こいつがしっかりしねーと、お前が死ぬんだぞ!!!」と、、、、、
(やばい!犬もだけど、俺もしっかり指示を出さなくては)
犬の意識が戻るともう一度訓練を開始した!
進め~!右~!左~!進め~!
全身全霊の言葉を犬に掛ける!
するとリーダー犬は僕の意思がちゃんと伝わったのか、思いどうりに動くようになった!
(そうだ、悪いのは俺だったんだ!リーダー犬よ、すまなかった)
遊び感覚でやってたのは僕の方だった、、、、
初めから魂を込めた言葉を発していれば、あんな目に合う事はなかったのに、、、、
訓練3日目にしてようやく心が通じ合った僕らは、夕方までの訓練を終えると、パパさんから合格の声をもらった!
よし、これで明日からの1泊2日の狩りに出れる。
最後に犬達の頭を撫でながら「頑張ろうな!」と声をかけた。
つづく