第12話 「北極点!」
(イグルーの中で一夜を明かした耕陽はパパさんに君もようやくファミリーになれた!と祝福された)
この日は獲物を探しながら帰宅する予定だったが、パパさんが、どうしても僕を連れて行きたい所があるという。
スノーモービルで走ること1時間、到着した場所はただの大地!!旗がぽつんと立っている。
ん???「ここですか?」と聞くとパパさんはニカッと笑い「ここだよ、ここは北極点だよ、、、、今君は地球の最北端にいるだよ!」と、、、、、
北極点!!!!すげー!俺、北極点に来ちゃったよ!!!!!!地球儀で観たら一番上の点だよ!地球の一番上だよ!
と感動していると、パパさんはもう一カ所、その景色はここでしか見れないよ!と言う場所に連れて行ってくれた。
そこはなんと海!しかしただの海ではない!
ぶつかり合った波が瞬間的に凍って氷山のようなというか、氷の剣山のような景色が水平線まで続いている、、、、
これはすごい!!この一言ですませるのはもったいないが、まさに大自然のすばらしさを感じた時間だった。
僕は凍る北極海の光景をしっかりと目に焼き付けて家路についた。
しかし、何故サブリーダーの犬をわざわざ寒い思いさせてまでして連れて行ったのか?
パパさんに聞くと、もし途中で吹雪にあったりスノーモービルが故障したりなどのトラブルに巻き込まれた時にこの犬が家まで連れて帰ってくれるんだと!犬の帰巣本能はものすごい!そして犬を抱きしめることで寒さもしのげると、、
結局獲物を捕らえることは出来なかったが、この1泊2日の旅は僕に素晴らしい経験をさせてくれた。
いよいよ明日はこのホルマンの地を離れ日本に帰る!そんな僕のために家族はパーティーを開いてくれた。
この日の夕食はカリブーと言うトナカイの肉のステーキだった。
少し乳臭い感じはあったが、このファミリーとの最後の晩餐と思うととても美味しく食べられた。
パーティーも終わり日本に帰る準備をしていると「トントン、トントン」
(ん?まさか?)
キタ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!
訪問者だ〜〜〜〜〜〜〜っ!
しかもこの日の彼女はものすごい積極的だった。ドアの前に立つ僕を押しのけてズカズカと部屋に入って、ソファーに座り僕に手招きする。誘われるがまま僕が近寄っていくと、いきなり抱きしめられ、頬にキスをされた。そして一言。英語を話せなかったはずの彼女が、誰かに教わったのか「I ,,, I ,,,, I love you ! You love I ?」と、、、、、
僕はどきどきしながらも、それを言うならDo you love me ? でしょ!と突っ込みそうになったが、彼女の耳元で「I like you. We are family.」と答えると怪訝な顔をする?
どうやらその英語は習ってなかったらしい!
その後もつうじないと解ってる日本語で僕はもう明日帰るから、君とそういう関係になることはできないんだ!などの説明を5分ぐらい話してたら、彼女は突然イヌイット語で機関銃のようにまくしたてたかと思うと部屋を出て行った。
少し後味の悪い結果になったがこれでいいんだと自分に言い聞かせベットに入った。
つづく