「中国、上海試練の旅」 第六話

(白酒という酒をしこたま飲まされ意識不明のまま睡眠についた僕)

目が覚めると頭が痛いし喉はカラカラの完全に二日酔い状態!
でもこの日の撮影は夕方からだったのでそれまでゆっくり休んで体調を整えようと部屋でゴロゴロしているとピンポ〜んとチャイムが鳴った。
時計をみると8時半、ベットメイキングには時間が早すぎる!何だろうとドアを開けるとみた事もない女性がドアの前に立っていてニコニコしながら「你好」と声をかけてくる。しかもかなり奇麗な女性だ。(ん???????なんだこの展開????)ときょとんとしてる僕に彼女は笑顔で握手を求めてくる。意味が解らないまま彼女と握手をすると今度は、これまた意味不明の中国語を大声で発してくる男の声が聞こえてきた。(えっ?何、何?新手の暴漢か?これはまずい展開だぞ!)と声の方を見ると4日前に南京に帰った通訳が立っていて僕と目が合うと「ただいま!今朝無事に上海に戻ってきたよ。あ〜その子は僕の彼女ね!風邪も治ったし一人で南京にいるのは寂しいって言うから連れてきちゃったよ!」と悪げもなく紹介し始めた。
おいおいおい、戻ってきてくれたのは助かるけど、彼女連れって、、、、しかも彼女が奇麗じゃないか!と少し嫉妬心を持ちながらむすっとしていると通訳が「とりあえずロビーでお茶でも飲みましょう。」と言う。寝起きで、しかも二日酔いでグダグダしていた僕は当然すぐに部屋を出る準備ができておらず、「すぐにシャワー浴びて降りるから先に降りといて。」と言い、急いで準備を始めた。
そしてシャワーを浴びてるとついついよけいな事を考えてしまう。
(あの子はいつまでここにいるだろうか?帰るときはまた送ってくるとか言っていなくなってしまうのだろうか?撮影中は何をしてるのだろうか?)などと。。。

身支度を整えロビーに降りていくと、二人はこちらが恥ずかしくなるぐらいに寄り添ってイチャイチャしていた。
とりあえずコーヒーを頼み、この3日間の行動をお互いに報告し合った。
そして今日の撮影は夕方からだよと伝えると、それじゃ〜今から観光に行こうと言い出した。
昨晩の深酒で二日酔い気味の僕は出発まで部屋でのんびりしてるから二人で行ってきなといったん部屋に戻った。

しばらく休んだ後ロケに出発しようと迎えのバスに乗り込むと、な、な、な、な、な、な、なんと!
これから仕事に向かうバスだというのに通訳とその彼女が二人並んで座っていた。
「え?彼女も一緒に行くの?」
「はい、だって一人でホテルにおいとくのかわいそうでしょ!」と、、、、
「そうかもしれないけど、たかだか3時間ぐらいで終わるんだから待っててもらった方がいいんじゃない?」

しかしここは中国!
こちらの話など聞きやしない!

さてさて本日の撮影はどうなるのかね?と思いながらロケ現場に出発したのである。

つづく

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!