「中国、上海試練の旅」 第七話

(彼女を同行させてロケ現場に向かった通訳と僕)

二人はバスの中から僕の前でイチャイチャイチャイチャ、現場についてもイチャイチャイチャイチャ!
そして撮影が始まっても控え室に籠ったまま何やら楽しそうに話している。
あげくの果てに僕が呼んでも全く気づかない。(これじゃいてもいなくても同じじゃないか!いや、イチャイチャを見せつけられる分だけたちが悪い)とたまりかねて訪ねてみた。
「二人はいったいどれぐらい前から付き合ってるの?」
「3週間ぐらい前からですよ。」
「ぬぬ!今が一番ラブラブな時じゃないかい!!夜が来ても、朝がきても、春が来ても、夏がきても、秋がきても、冬がきても、僕にはもうあなたしかない、ダーリングってな感じじゃないかい!」
と思わず沢田研二さんの歌を歌ってしまうという、どうしようもない突っ込みを入れてしまったのだが、
「そうなんです。本当は毎日毎日会ってないとダメなんです。」
と平然と返される始末!

もうこりゃ何を言ってもダメだなとあきらめ、その日の撮影は終了した。

当然帰りのバスでもイチャイチャブリは変わらず。そして何よりびっくりしたのは一緒にバスに乗っている共演者やスタッフとも別に昔からの仲間ですよみたいな感じで仲良くやっていた。

翌日は朝からのロケ!
今日もまた一日イチャイチャブリを見せつけられるのかと思いながらロビーに降りると、通訳が一人で待っていた。

「あれ?彼女は?」
「昨日ずっと話してて寝たの5時だったからまだ寝てます。なので今日は僕一人で行きます。」
(そうだろ、そうだろ、それが本来やらなきゃいかんスタイルだろ!)
と少し安心して現場に向かった!

しかし今度は、1シーン取り終えるたびに彼女への電話攻撃だ!こちらが台詞の解釈が間違っていないか確認しようとしてもずっと電話攻撃!
さすがにこれじゃだめだ〜〜〜〜〜!と思い
「あのさ、君はここに通訳の仕事をしに来てるのであって、彼女と電話で話をするために来てるんじゃないでしょ?」
「そうです。」
「だったら僕が用事があるときは電話切ってもらえないかな?」
そこで反省するかと思いきや返ってきた返事が
「いや、でも彼女は知らない場所で一人でいるから心配で、、、、」
もうだめだ、これは完全に恋の病だ!もうあれこれ言うのはやめよう!と心に誓ったのであった。

そして今日が終われば次の僕の出番が3日後!つまり2日間は休み!いよいよゆっくりできるぞ〜!
と撮影を終えたのである。

しかしここは中国!
黙って返してはもらえない。

通訳が「明日から休みですよね?今から飲みにいきませんか?彼女も出てくるので、、、」と誘ってきた。
別に断る理由もなく仕事の現場じゃないから、それこそ彼女が来てもよいだろうと思い、
「行くのはいいけど白酒だけは勘弁してね!」と言うとまたまた夜の街に繰り出したのであった。

つづく

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